どこかを目指すくもたち
どこかを目指すくもが真上を横切った。
向こうの山を目指すのか?
マンションの団地群の上も横切って
ずんずん進む。
秋のくもは意外にせっかち。
動きが早いし形もすぐ変わる。
どこかを目指すくもは薄く薄く広がりだして
細い触手まで伸ばして
青い空に溶け込んでいく。
飛行機が空を通れば
飛行機ぐもも空を通る。
飛行機ぐもも薄く広がりだして
空に溶けていく。
再びくもの層が重なりだして
気づけば、もう夕方です。